自分の歯を あきらめない

歯を残す治療~歯周・根管治療~

自分の歯を活かす治療

当院のコンセプトでお話したとおり、当院では可能な限り患者さんに自分の歯を残してもらおうという方針をとっています。重度の歯周病になったからといって、大切な歯を抜いて、入れ歯やインプラントに頼るというのは決して健康的な考えではありません。「虫歯や歯周病になっても簡単に治療することが出来る」という考えでは、おのずと口の中の健康、ひいては全身の健康に対する意識も改善しません。

当院では重度の歯周病であっても丁寧に治療し二度と再発させない。という考えから安易に歯を抜いてしまうのではなく、患者さんと歯科医が力をあわせて、自分の歯を保つ治療に取り組んでいきます。

歯周病治療

本当は恐ろしい歯周病

歯周病というと、いまだに単なる歯茎の病気と軽く考えている人も多いです。歯周病とは「歯垢」あるいは「プラーク」と呼ばれる細菌の固まりが歯周組織を破壊する病気です。歯周組織は歯茎だけではありません。

歯を支える歯周組織

歯肉
いわゆる歯茎。この色が変化したりするのも歯周病の危険信号です。
セメント質
歯の根を表面から覆っているセメント状の物質です。
歯根膜
歯と顎の骨を結ぶ線維状の物質です。
歯槽骨
いわゆる顎の骨のことです。歯は上顎と下顎に支えられています。

上の表に挙げた歯周組織を順番に侵していくのが歯周病の真の恐ろしさです。最終的に顎の骨までも溶かしてしまうという、ある意味、虫歯よりも恐ろしい病気と言えるでしょう。

当院の歯周治療の方針

歯周病は生活習慣病であるため、特に喫煙や食習慣、歯の磨き方などを詳しく聞き、歯周病の原因を究明した上で治療を開始します。特に歯のメインテナンスを重視し治療が終わった後も、歯の磨き方や食習慣の指導、定期検診やPTMCなどをお奨めすることにより、「歯周病に二度とかからない口内環境作り」に務めます。

わかり易く"前歯"の例

初診時

下の前歯4本を抜歯すると言われたそうです。抜歯した後はどうなるのでしょう?抜かなければいけない理由は何でしょうか?確かに歯を支えている骨はほとんどありません。しかし患者さんは抜歯を希望していません。それならば、歯を残すようにお互い努力してみてもいいかもしれません。まずは、裏側に歯ブラシを当てることができるでしょうか?

初診から約1年後

とてもよく管理されています。日常的に不自由はないようです。

初診から約10年後

何とか10年もちました。歯を支える骨も回復してきました。油断は出来ませんが、この調子ならまだ抜歯にはいたりません。

この歯は患者さんがあきらめたら直ぐにでも抜けてしまうでしょう。現在の状況を正しく理解していただき、日常の管理のしかた、歯の使い方などを考え、実践してもらう。必要があればこちらからアドバイスをさせていただいたり、口腔清掃のお手伝いをさせていただきます。危ない歯を残すにはお互いの努力と信頼関係が必要です。
こうすることで10年もつことができます。
歯周病になってしまった歯を残せるか残せないかは患者さんにかかっています。これは、医療者として治療を放棄したわけではなく、歯周病も細菌の感染症であるため、いくら医療者が頑張ったところで限界があるからです。
患者さんがあきらめてしまったとき、歯は失われていきます。

根管(こんかん)治療

根管とは歯髄(しずい)、つまり歯の神経の入っている部分の歯。つまり目に見える歯ではなく、歯茎の中に隠れている「見えない歯」の部分です。しばしば虫歯になると歯髄を抜く治療が行なわれます。しかし、歯髄を抜いてしまった歯は枯れた木と同様にとても脆(もろ)くなってしまうのです。

それを防ぐには、抜いた歯髄の部分をしっかりと樹脂などで埋めなくてはなりません。これはレントゲン写真を頼りに、とても繊細な技術が必要とされる上に、時間もかかる治療です。しかし、隙間なく歯髄を抜いた部分を埋めてしまわなければ、その隙間に細菌が入り込み腫れや痛みが起きる原因となってしまいます。

この繊細で時間のかかる根管治療を丁寧に行なうかどうかが、歯科医の良心の分かれる部分なのです。安易に歯を抜き、替わりにインプラントを奨める歯科医が多い理由には、「面倒臭い」根管治療を怠りたがるという面もあるのです。

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